極彩色アリス
兎を見てやると、プイっと顔を背けられてしまった。
『ここは【アリスの間】。 じゃ、次いくよー!』
ろくな探索無しに部屋を追い出される。
見せたということは必要な部屋のはず、でも何で…?
うしろ髪を引かれつつ部屋を後にした。
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階段を上がりようやく二階へ。
この階も広々とした廊下が奥まで続いている。
恐らく、一番向こうは今上がってきた階段とは反対の階段があるのだろう。
そんなことを考えていると、兎が私の手を引いた。
『ここは皆のお部屋があるんだよ。 ネームプレートを確認して自室を確認して? なにか【足りないもの】があったら教えてね!』
今度は背中を押されるので仕方なく自分の部屋を探す。
……真ん中かよ。
しかも部屋のとなりは三階に上がるための階段。
階段隣とか安眠は期待できないな…、なんて思いながら扉を開く。
「……え?」
流石に冷静ではいられなかった。
部屋のなかは、向こうの世界にある私の部屋そのものだった。
少しもズレがなく、全てがそのままにあった。
驚きで固まっていると、後ろから笑い声が聞こえた。
兎の高い笑い声。
(だから言ったでしょ? 足りないものがあったら教えてねって…)