極彩色アリス
ダイニングを出て次に向かったのは大階段の踊場。
左右に別れる二階への階段を見守るように飾られた正面にある大きな肖像画。
天色のエプロンドレス。
同色のリボンとボーダー柄のニーソックス。
金色のセミロングの少女が草原で眠っている絵。
明らかに存在感が違う。
しかも、この容姿…、もしかして、
『だいせいかーい! この肖像画は【現】アリスの絵なんだよ♪ ここにはその世代のアリスを絵にして飾ってるんだよ』
兎はピョコピョコと飛び回ったあと肖像画の隅を掴むと思いっきり引っ張った。
途端、ギギギ…、という音を軋ませながら次の部屋への訪問を促す。
絵の後ろは隠し部屋になっているようで、向こう側から微かな香りがした。
……これは、本?
はしゃぐ兎に着いていくと息を止めてしまった。
どこまでも続く天井は灯りが届かず真っ暗だった。
下を見れば硝子の床で、その下は正に底無し。
決して広くない部屋には七つのソファーとテーブル。
ランプから溢れる明かりは部屋中を照らしている。
何より驚いたのは、壁一面に詰め込まれた本の山。
上も下も本だらけ。
いったいこの部屋は…?