極彩色アリス
少しだけ目が霞んできた。
息をするのもやっとで少しずつ気道を締め付けられて酸素が足りなくなってくる。
それでも暴れないのは面倒臭いから。
動くのもやっとだから動かない。
虚ろな目で憤怒を見てやると不気味なくらい笑っていた。
…うわ、こいつ快楽殺人鬼かよ。
「……、かは、」
「…!?」
流石に苦しくなり少しだけ声らしきものが漏れたとき、驚いて憤怒は手を離した。
床に落とされたのと同時に肺一杯に大量の酸素が流れ込んできたから噎せてしまう。
喉を押さえながら憤怒を見ると、自分の手を見ながら震えていた。
何かに怯えて拒絶しているような絶望的な顔と瞳。
まさかだと思うけど…。
こいつ、怒りの感情をコントロール出来ないのかな?
だとすれば合点がいく。
こいつを侮辱した私が苦しむ姿を見て笑うなんて、それ以外に考えにくい。
私もだけどこいつもかわいそうな奴だな。
まぁ、アリス候補者はみんな何かしらかわいそうな奴らだから仕方ないけど。
こいつは生きていくのも大変だったのかもしれない。
怒りの感情は誰しも持っているし、些細なことで表に出やすい。
こいつの肩を持つ訳ではないが…、