極彩色アリス

脱衣場で服を着る。
靴下を履いてブーツを履こうとしたとき、目の前を人影が通った気がした。
顔をあげて見てみると、階段の方へ向かうピンクと白の尻尾が見えた。
あれは猫の…。

急いでブーツを履いて尻尾を追いかける。

…あぁもう、また?
三階から二階に降りるとき、必ず踊り場で気配を感じる。
しかも日に日に濃くなる存在感と声の大きさはまさにホラーだよ。
声と言っても何をいっているのかは聞き取れないのだけど。
…って、今は振り返る暇がないので気にせず降りていく。

猫の尻尾は大階段を下りてダイニングの方へ曲がって消えてしまった。
明らかに私を誘ったのがわかる。
周りに誰もいないことを確認してから扉を開ける。
急いで閉めたあと足元に気を付けながら急いで階段を下がる。

昼間(夜なのかな?)にも行ったからめんどくさいけど、猫がわざわざ出向いてくれてまでのお誘いなら断る理由はない。

鉄のドアを開けると、私は固まってしまった。

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