極彩色アリス

ランタンが置いてある机に座っていたのは兎。
近くにある椅子に座っている【アリス】は
足元にいる猫の頭を撫でていた。
私は動くことは愚か、息を吸うことも出来ないくらいに体が震え始めていた。
四階に行ったあの日、あのときからアリスが怖くて仕方がなかった。
ようやく薄れてきた感情を掘り返されてしまう。

『こんばんは、怠惰の罪』

まろやかで甘い声でアリスが語りかけてくる。
この声は、あちらの世界からこちらに来るときの穴へ入るときに聞こえた秘密の声…。
あれは兎の声ではなくアリスの声だったのだろう。
少しだけ、アリスのほうか柔らかな声色なのかもしれない。

兎は不満そうなため息を漏らしながら足をぶらぶらと振っている。
猫なんてアリスの足な頬擦りしてるし…。
明らかに私より年上に見えるのに、変態なのか…。

アリスの挨拶に答えたくても頭を働かせるので精一杯の私には返す言葉が出てこない。
下らないことなら考えられてるのに…!

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