極彩色アリス

振り返ったそこに居たのは白装束の男性。
華奢な体に白銀の長髪。
私が連れている白蝶より一回りほど大きな白蝶を遊ばせている手は白く脆い美しさだった。
体を覆う外套と薄手のストールが廊下から漏れる光で仄淡く反射していた。
何より目を引いたのはその顔を覆い隠す……、狐のお面。

驚きと同時に感じたのは……懐かしさ。

『………』
「あんた、前から私に話し掛けてきてたでしょ? 何の用?」
『……………、』
「……?」

小さく声が聞こえるがお面のせいでくぐもった声になってしまい聞こえない。
こちらをじっと見詰めるように動こうとしない。

「………ねぇ…」
『……………怠惰……、』
「……?」
『明日のゲーム、気を付けろよ?』

漸く聞こえた声は明日についての警告。
それだけ伝えると何も喋らなくなってしまった。
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