極彩色アリス
来た道を白蝶と共に再び歩く。
なんだかあの部屋が無性に気にかかり何度も振り返った。
引き返す気は無いけど、あの部屋にはまた来ないといけないような…。
……。
扉から微かに顔を出し、周りに誰もいないことを確認してから図書室に戻ってきた。
早くダイニングに行こうと思い部屋をでる。
嫌でも二階に降りるにはこの階段を使わないといけない。
また聞こえるだろうなと思いながら気にも留めず一段一段確実に降りていく。
踊り場を過ぎ、二段ほど降りたとき、明らかにいつもと違う存在感を背後に感じた。
途端……、
『…………………、……、び……』
反射的に振り返った。
まさか、名前で呼ばれるとは思っていなかった。
しかも、今まで朧気だった声がはっきりと聞こえたのだ。