星月の夜に
           sideこゆき

まこちゃん手作りの朝食を食べてから外へでる、私の日常。

家事万能なまこちゃん。

一目見たときから私を夢中にさせた、まこちゃん。

咲山家にお世話になって早三ヶ月。

女だから、と忘れようと思った恋心。

でも、まこちゃんを見るたびに、きゅうっと胸が苦しくなる。


止められないんだと、


まこちゃんを諦めることを、諦めた瞬間  
心が、嘘みたいに楽になった。

「ゆきちゃん?大丈夫?」

ふと、隣にいるまこちゃんが話しかけてきた。

「え?あぁ…大丈夫だよ。ごめんね。」

私がそう言えばまこちゃんは笑顔に戻った。

私は、この笑顔に、弱い…。

女性としては少し低めな声も、

道路を歩くとき、絶対に車道側を歩いてくれる所も、

全部が私をときめかせた。

夜空が好きだからというまこちゃんにあわせて、

はやく起きて、星を見ながら、3駅分、二人で歩く。

家を出てから1時間、3番目の駅、落水駅

始発を待つ、数分の時

今日は寒いね、とか、そろそろタイツじゃダメかな、とか…。

私が咲山家にお世話になってから続く、日課。

話している間にも

どんどん

好きって気持ちがあふれてくる。




赤くなった頬を寒さのせいにして、


もう少しだけ


貴方に溺れてもいいですか?

< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop