レオニスの泪

―なんだ、これ。




たまにふらふらとする、、、ような…?



私は、注文を受けながら、変な感覚に襲われていた。




―立ちくらみ??



目もちょっと見えづらい、、ような??





「カツカレー!ライス大盛りで!」




「あ、はい…800円です。」




なんとか持ち堪えながら、千円札を受け取る。



―あれ。





「めずらしー!今日のレジは葉山さんなんだねぇ」




見覚えのあるふくよかな手だと思ったと同時に声を掛けられた。




―げ。こいつ、今日早くない?




「200円のお返しです。こちらの番号札を持って呼ばれるまでお待ちください。」




機械的に言葉を発しつつも、顔が引き攣る。




「いやいや、光栄だな。今日は笹田さんじゃなくて、葉山さんに相談に乗ってもらっちゃおうかなぁー。」




―はぁ?!待ってろって言ってんだろー!!そこの!隅!隅っこで息を潜めて待ってろ!!なんなら止めて待ってろ!




とは流石に言えず。




「次のお客様がいらっしゃいますので」



さらりと視線を奥へ向けると、森もつられるように振り返った。



「え、あ。ホントだ。いつもと時間が違うからかぁ。混んでるもんねぇ。」



慌ててそう言うと、脇に寄ったようで、視界から消えてくれた。


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