care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~





「みーちゃーん」




「みーちゃん言うな!!」





数日後。




慶くんとは驚くほど早く仲良くなった。




話の波長も合うし、音楽の趣味も合う。



空のいうとおり、男は全部同じじゃない。





もっといろんな人に目を向ければ
良かった。







「じゃあなんて呼べばいいの?」




慶くんが私の机に頬杖をつきながら
上目使いで見つめてくる。




…慶くん可愛い。





「み、美咲って呼べば??」



「やった!!その答えを待っていた!!
 美咲って呼ぶの夢だったんだよね!!」




慶くんはほんとに嬉しそうに
ガッツポーズをして笑ってる。




そんな慶くんを見てるとチラッと
女の子と話す空の顔が目に入る。





空はアイドルスマイルじゃない
私に向ける普段の笑顔で女の子を
見つめていた。





ズキ。










「美咲ー??」



「あ、ごめん。なに?…って、きゃあ!!」





気づいたら慶くんの顔が
凄く近くにあった。





ドキ。





慶くんの綺麗な瞳が私を捕らえて
離さない。





「やっとこっち見た」




慶くんはふっと微笑み、
私の髪を撫でる。


そんな慶くんに私も同じように微笑んだ









今考えると空はアイドル。




私の恋なんて叶うわけない。









それなら手の届く慶くんを
想うのが良いのかもしれない。




空との今の関係を壊したくないし
それが空のためにもなる。














「慶くん、もっと撫でて」








こんな私って最低??


< 76 / 157 >

この作品をシェア

pagetop