暴走族に愛された不登校女子。








「中、入れば」



智さんは平然と言って、部屋の中に招いた。


家の中は結構綺麗に片付いている。

ソファの上には前に猫カフェで智さんが飼っていると言っていた猫が、堂々と寝転んでいた。





直樹は何食わぬ顔で、部屋の真ん中に座った。






「お前、何で学校来ないんだよ」



すぐに本題に入ると、あたしは驚いた。


(学校に来てないの…?)






「行けるわけないじゃん。俺は嘘をついたんだから」


「だったら、その嘘はなんだよ」



「2人の仲を壊したかった。だから、杏ちゃんが家に帰りたがってるって言った。


そう嘘をついたんだ」






「アホが」




直樹の声が、静かな部屋に響いた。




そして、立ち上がると智さんに向かって思い切り殴った。


< 212 / 304 >

この作品をシェア

pagetop