暴走族に愛された不登校女子。
直樹が向かった場所は、見知らぬマンションだ。
結構大きいし、近所でもお金持ちが住んでいると有名なところだった。
「来い」
ぎゅっと手を握られて、ここに誰が住んでいるのか薄々勘付いてきた。
とある部屋の前に行くと、直樹は立ち止まりあたしを見つめた。
「その顔だと、誰の家か分かってんだな」
「…何となく」
「多分あってる」
そう言って、チャイムを鳴らす。
扉が開いてようやく、確信した。
寝癖を沢山つけて顔色の悪い智さんが出てきた。
「何があったんだよ、おい」
直樹の威圧がいつも以上に凄い。
でも智さんは怖じ気ついた顔をしていなかった。