暴走族に愛された不登校女子。
「おぅ」
その横にも直樹と同じくらい派手なバイクが止められていた。
真っ赤に染まっていて黒いラインが目立っている。
「俺の」
「智さんの??」
「いいだろ?」
「カッコいい」
智さんに笑顔が見えた。直樹はまた不機嫌になってあたしを乱暴にバイクの上に乗せる。
「直樹……拗ねないで?」
「覚えてろよ」
「…え?」
「智っ、今日はどこだ?」
「今日は…、嵐ン家」
「オッケ」
嵐…??
それは家ですかね…。
それともたまり場的な…。
「あっ! 直樹さん、仕事手伝ってくださりありがとうございやすっ」
振り返ると、同じ年の少年が敬語を使ってお辞儀までしている。