前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「あっ!櫻井先生!!!
2人を止めてください!!!」



「えっ?ミカちゃん??
2人並ぶと本当双子みたいだね〜
目が同んなじ(笑)
フサフサの睫毛に吸い込まれそうな瞳。
ああ、ごめん、ごめん、ミカちゃん
何があったの?
テンがあんなに人前で感情をあらわに
するなんて久々に見たよ…
そこの健夫級のイケメン君と2人で
なにしてんの??」


と、ミカに向かって首を傾げた
櫻井とかいう爽やかイケメン医師


お前こそなんなんだよっ!


ミカちゃんじゃねぇだろうがっ!


まぁ、ミカちゃんなんだけど


そういう問題じゃねぇ!


気安くミカの名前を呼ぶんじゃねぇよ!
ってことだよっ!



「祐介!!何も聞かないで!!
私は忙しいの!!礼二!行くわよっ!」



「ちょ ちょ ちょっと待って……
ミカちゃん、怪我してるんじゃないの?
まずはそれを診てからにしない?
ねっ?ミカちゃん(笑)」


祐介という爽やかイケメン医師が
ミカの目を捉えるように見ると
頭を優しく撫でて言った


おいっ!やめろや!


いちいち態度が大人の出来る奴みたい
で、油断も隙もねぇ野郎だな…


俺のミカだし…


不満気にキッと睨みをきかせても


どこ吹く風という様子で
ミカの頭から手を離そうとしない


その手を振り払おうとしたら
その前に手をパッと離すと
ミカを見てまたニッコリ笑いやがった!


こいつ!なかなかやりよるっ!!


そんな俺の葛藤に全く気がついてない
ミカは


俺と天さんの手を握ると


行かせない。ここにいて
とでも言うように
うんうんと首を縦に振った


その仕草が異様に可愛くて


おもわず俺も首を縦に振ったら
俺と同じタイミングで天さんも
首を縦に振った。


「ふふふっ(笑)
今日もまた奴らの命は助かったわね?
礼二…。可愛いミカのお人好しに
助けられて。」


「天さん、次は3度目の正直です。
次こんな事があった日には
あいつらを地獄の底へ突き落として
帰ってこれなくしてやりましょう」


「気が合うわね?礼二。
私もそう思ってた所よ…」


「クククククッ(笑)
何2人でわけわかんない事言ってんの?
とりあえず
ミカちゃんを連れて行くよ??」


「ああ、祐介お願い!
今健夫手術中なの。」


えっ?!


もしかして
こいつがミカの背中見るの??


健夫君でも嫌なのに
こんな奴になんか絶対見せたくねぇよ!


「ミカ?健夫君待ったら??
何時間でも俺付き合うよ?」


遠回しに拒否ってみたけど


「いや、ミカちゃんおいで(笑)
俺、こういうのが専門だから
脳外の健夫よりいいんじゃない?
なぁ?テン??(笑)」


「そうねぇ〜!ミカ、良かったわね!
行くわよっ!(笑)」


えーーー!


天さんの裏切者〜〜!


そのかいし診察室まで入って
見張ってるかんな!!
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