Sweet Christmas Eve♪
「藤倉さん」
「えっ?藤倉さん」 って、先程来て下さった藤倉様?
「あぁ。あんな、お前に贈ったエンゲージリングも藤倉さんに紹 介してもらったあのホテルの宝石店で買うたんや」
「えっ?」
あまりの驚きに目をぱちくり。
「紹介してもうて利口でええもんが買えた。俺、宝石とかよう分からんし藤倉さんに相談にのってもうたんや。やっぱり棗にはちゃんとしたもんをプレゼントしたかったしな」
「礼音…礼音…」
「な、なんやねん」
いきなり泣き出した私に礼音が驚いてあたふた。
「嬉しいの。礼音がそんなにしてあの指輪を選んでくれたことが 」
美容師をしているとはいえ、基本礼音は口下手でシャイ。
そんな礼音が藤倉さんに相談を持ちかけること自体たぶん大変だったと思う。
でも、私の為に…
てか、あのプロポーズの時って、まだ礼音とは付き合ってはいなかった。
幼馴染みの枠から出てなかった。
なのに、礼音は…
私が承諾するかしないかは五分五分だったのに、その五分に賭けてくれた。
そしてあのエンゲージリングを選んでくれた。
その礼音の気持ちが嬉しい。
礼音の愛情が嬉しい。