よくばりな恋


ほんの少しの間だけ、わたしのものでいて。結婚するまでの恋愛遍歴の1つで構わないから。

わたしの指先が 先生の髪を触って 頬を撫でて 唇にそっと触れる。

もう少しだけ起きないで。起きてしまったらきっと、ドキドキが止まらなくてこんなことできないから。

先生の側を離れて、先生に背中を向けてベッドの端で丸くなる。温もりが遠くなるのが悲しい。



「翠」

背中から抱き寄せられる。

「寒いから離れて行くな」

また真ん中に戻されて腕の中になる。

「9時までに行けばいいからあと1時間くらいは眠れる」

そう言われ、また浅い眠りにおちた。


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