よくばりな恋
でもね、ちはやさん
あんなにお似合いの2人を見ると、邪魔なのはやっぱりわたしなのかもと思ってしまう。
幼なじみなら先生も恋愛するのにハードルが低いかもしれない。
あんな綺麗な大人の女性となら、きっと28歳処女より面倒なく恋愛できる。
28歳にもなって恋愛経験のないわたしより、きっと先生を幸せにしてあげられる。
金曜日、ご飯を作る約束を反故にするわけにもいかず、スペアキーで先生の部屋へ行く。
『予定が狂って少し帰りが遅れる』
とメール。10時まで待って帰ろうと決めた。
「ビーフストロガノフがお鍋にあります。温めて食べてくださいね。サラダは冷蔵庫です。終バスの時間なので帰ります。 翠 」と書置きを残し、先生の部屋を後にした。
もう2度と、この部屋には来ない。
そう決心して、持ち帰るために先生に買って貰ったものをまとめた。