よくばりな恋


「わがまま言ってすみません」
深く頭を下げた。


次の仕事が決まっているわけじゃない。
それでもできるだけ先生から遠ざかりたかった。

幸せになって欲しいけど、誰かと幸せになるあなたを見たくない。多分心がバラバラになってしまうから。



「翠ちゃん、今週の日曜日の忘年会は行くわよね?」

「そのつもりにはしてますけど」
嘘だ。本当は当日体調不良で休むつもりだ。

先生に会わなくて済むように・・・・・・・・。



その日の病院からの帰り道、意外な人から電話をもらった。

『翠ちゃん、日曜日は朝からわたしに付き合ってちょうだい』

おばさまーーーーーーー。
院長夫人だ。

『朝10時にお家にむかえに行くわ』

有無を言わさず、強引なところは先生とそっくりだ。
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