よくばりな恋
日曜日の朝、マンションの下まで降りて待っていると、おばさまがタクシーで迎えに来てくれた。そのままわたしも同乗する。
「今晩は忘年会があるでしょ?それまでには終わるから」
さすがあのイケメン兄弟の母だけあってとても綺麗だ。短い髪に年を感じさせないデコルテを見せ、見ただけで素材の良さがわかる身体の線にそった黒いワンピース。首にかけた真珠のネックレスだってわたしなんかには手の届かないような値段だろう。
車はおばさま御用達のセレクトショップの前で止められた。
「さ、翠ちゃん行くわよ」
腕を引かれ、店内に入ると店員さんたちが全員最敬礼で迎えてくれる。あまりの場違いさに腰が引ける。
「翠ちゃん、少し早いけどクリスマスプレゼント。似合うもの見立ててもらいなさい」