よくばりな恋
笑い合う2人。お似合いの2人。
デパートの扉をくぐる2人の後ろ姿に、また心が悲鳴をあげる。
「翠、どうかした?」
もう手の届かない人。
諦めないといけない人。
「なんでもない。デパートのクリスマスデコレーションがきれいやと思って」
「もうすぐやもんなあ」
「うん」
空くんにホテルの玄関で降ろしてもらい、会場へ足を向ける。まだ少し早いだろうかと思っていたら、見知った顔があちこちに見える。
「翠ちゃん!」
「野口さん!」
「いや、はじめわからへんかったわ。めちゃくちゃ可愛いやないの」
「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
「お世辞ちゃうわよ。今日はきっとモテモテやわ」