よくばりな恋


「でも研究が好きなんでしょ?」

「そう。お金が儲からなくて女の子にモテなくても」

まだまだ子供だと思っていた空くんが急にオトナに見えた。そうだよね、わたしだってもうアラサー女子だし。

「大丈夫だよ。イケメンで女の子のエスコートも素敵にできるし、すぐに彼女なんてできるよ」

「翠の太鼓判ではなあ」

「もうっ」

空くんと他愛のないやり取りをしながら車は進む。やがて車が込み合う京都の中心部に差し掛かったとき、ひどく目立つ2人連れが目に入った。



細身のダークカラーのスーツがよく似合う長身、小さな整った顔。

会いたくてたまらなかった人。

隣にいるのはキャメルのコートを着た、前に会った美しい人。
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