よくばりな恋


「やだ、藤原先生ったら」

生真面目な返事がおかしくてつい吹き出す。その拍子にオレンジジュースにむせた。

「大丈夫ですか?」

藤原先生が背中をさすってくれる。

「へ・・・・・げほっ・・・・・平気です」

聞きなれない電子音が藤原先生からした。内ポケットから携帯を取り出して、2、3言しゃべる。

「残念ながら呼び出しです」

「大変ですね。お気をつけて」

「あなたも。変な人に気をつけて」

「はい」

藤原先生が走って会場を出て行く。
思いがけずわたしとのことが噂になってしまって、謝るタイミングを探していたのだろう。



いい人なのに・・・・・。



さあ、わたしも帰ろう。
おばさまごめんなさい。魔法をかけてもらったけど、王子様は現れませんでした。

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