よくばりな恋


先生の下から抜け出そうと身体の向きを変える。泣きすぎて喉がひきつる。

突然、腕を引っ張られて起こされた。

「・・・・・本命ってなに?」

先生の温度のない声に心が冷えた。

「・・・・・おじさまが・・・・・伊勢原さんのお孫さんと・・・・・いい縁談だって・・・・・」

「和沙?」

「一昨日も、四条を2人で歩いているのを見て・・・・・きれいで・・・・・お似合いで・・・・・」

自分のはだけられたワンピースの襟元をぎゅっと掴んで下を向く。涙が膝の上にいくつもシミを作る。

「・・・・・おまえはバカか」


「ーーーーーーーー?」


先生が大きなため息をつく。



「抱けない女、好きでもないのに側に置くわけないやろ!」
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