よくばりな恋
斯波先生、ひょっとして酔ってる?
成海先生早く来て~と心の中でお願いする。

「しかし見事なこじらせっぷりやな。紗英と同い年やったら28?恋愛しないようにワクチンでも打ってる?非恋愛体質が重症化してるで」
頭の上で喋るからやけに声が響く。好きでこじらせてるわけじゃないのに・・・・・・・・・・。

「こ・・・・・・・・・・これから頑張るから大丈夫!」

「・・・・・・・・・・・・・・・へぇ」

斯波先生がクックッと喉の奥で笑う。聞こえる声もかすかに香るコロンも近すぎて、クラクラしてきた。この人、絶対にわたしをからかって遊んでる。




「・・・・・・・・・・翠ちゃん、それどういう状況?」

「な、成海先生~・・・・・・・・・・」

「健太郎、遅い!飲みなおすぞ」

助かった。もうこの状態から抜け出していいよね。
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