よくばりな恋
一生懸命棚を拭いているとふいに後ろから声がかけられた。
「お前危ないぞ。手の届かないところはオレに言えよ」
「平気ですよ。大体わたしの手が届かないところなんていっぱいーーーーーー」
言いかけたら、椅子がぐらりと揺れる。
ダメだ、倒れる。次に来る衝撃を覚悟した。
「・・・・・・・・・・?痛くない・・・・・・・・・・?」
なんだかいい匂いがする・・・・・・・・・・。頬にあたる布地の感触が柔らかくて気持ちいい。
「・・・・・・・・・・大丈夫か?」
「え・・・・・・・・・・?」
顔をあげるとすぐ近くに先生。わたしが先生を押し倒す形で抱きとめられていた。
「ご・・・・・・・・・・ごめんなさい!重いのにーーーー!」
きっとわたしの顔はりんごより赤い。