私と二重人格の僕





ランニングが終わり、教室へ入った直後にチャイムが鳴った。


ギリギリセーフ....
と一息ついてHRが始まった。



「あー、今日は....掃除が有り?だったかな。そんで、えー…と、まあ、今日も一日な、頑張ろうな、うん、まあ、はい。....うん、だな。」


このなんとも曖昧で聴いてる人を苛立てる能力が備わってる小杉先生は、今日もクラスメイトから「曖昧すぎー」、「はっきり言えよな。」と言われていた。


私も同感だけど、きっと小杉先生は緊張感のある方なんだよね、と美化していらだちを抑えていた。


「すまない。」と苦笑しながら謝る先生にみんな黙ってコクンとうなずいた。かと思うと


「しっかりしてよねー、担任の癖に。」

「ほんと、ほんと!しっかりしろよー」

「ま、いつものことだし慣れたけど。」

「それな!担任交代も良いところだよな」

「いいねー!担任交代したい!」

「賛成ー。」


クラスメイトのごく一部な奴らが「担任交代」に盛り上げ始めた。


酷いことする人らだとは思ってたけど、ひどすぎるよ。
それに、私を含めて何も言わずただジッとしてるだけなんて、ひどい。


私が何かいえば、この小杉先生へのバッシングは止められるかもしれないのに!!


「....っ!」


急に頭に突き刺さるような激しい痛みが伴った。

それと共に、記憶はつつ抜けるように消えた。






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