コワレモノ―人類最後の革命―
数年後。

「時間になりました。第四国民食を配給します」

無機質なアナウンスが、私達の部屋のスピーカーから流れる。テーブルの上に、白いトレーに盛り付けられた…というよりは「ただ置かれた」料理がせり上がってきた。

「今日もこれか…たまには美味い料理、食べてみたいもんだけどな」

味気ない合成肉を口に運びながら、黒田が呟く。「Top」の政策により、人々は基本男女1人ずつのペアで住むことになった。私は全くの偶然で、黒田と住むことになったのである。

「黒田」
「ん?」
「美味しいものを食べたいって気持ちは分かるけど、もう美味しいものを食べてる人は誰もいないの。全員が平等に管理されてるんだから、不満を感じることもないでしょ?」

ここまで統治され、管理された世界なんて面白くない、と思う人もいるかもしれない。しかし、少なくとも今私達がいるこの世界には、そんなことを感じる人は一人もいない。

全ての人間は、等しい扱いを受けている。人間から上下の違いが消滅した。左右の違いはあるが、それは格差を生むことにはならないのだ。

私は、ただ一人の一般市民に過ぎない。数年前までホームレスだった人も、反対に一国一城の主だった人も、今は皆、ただの一般市民だ。

上下に違いなんてものがなければ、不満も生まれない。

前までの世界より、今の世界の方がずっといい。はっきりと、そう言える。…いや、本来、世界は今のこの世界であるべきなのだ。

何故か? その理由は明白だ。

人間は、平等なのだから。
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