コワレモノ―人類最後の革命―
「…それ…」
迅奈は驚きを隠せない様子だった。私は淡々と話をした。
「突き飛ばしたの…覚えてるよ、私は」
「…」
「私の腕と足、なくなっちゃった」
「…ゴメン、咲羅」
謝罪なんて、必要なかった。謝られたところで、私の腕と足が戻ってくるわけでも、迅奈の腕と足が戻ってくるわけでもない。私と迅奈の間のアンバランスは、埋まらない。
「謝らないで」
「え…?」
「私、モデルになるのが夢だったの。だけどこの体じゃ、もうどうしようもない。だから、迅奈にも『どうしようもない』って思ってもらいたかっただけ」
「何でそんなこと…」
「私も迅奈も、同じ人間だから。平等にいこう」
「…分かった」
すると、迅奈は校舎に入って行った。そして数分後、戻って来た。その手には…。
「えっ…?」
迅奈の手には、チェーンソーがあった。裏山の木の伐採用に、倉庫に置いてあるやつだ。しかも、右と左に一本ずつ。
「何をするつもり…?」
「…最後に一つ教えとくわ。今回の件には…首謀者がいる。私達に、突き飛ばすように、そして死なせずに苦しませるように命令した首謀者がいる」
十五メートルほど離れた場所に来ると、そう言いながら迅奈は腕をクロスさせ、両方のチェーンソーを両方の肩に当てた。
「まさか…」
私は、迅奈がやろうとしていることに気づいてしまった。私はそれを止めるべく、全力で迅奈の方に走った。
だが…間に合わなかった。
迅奈は腕を少し上に上げると、電源を入れ、そのまま下に降ろして自分の腕を切断した。そしてその勢いで、足も根元から切り離してしまった。
迅奈は驚きを隠せない様子だった。私は淡々と話をした。
「突き飛ばしたの…覚えてるよ、私は」
「…」
「私の腕と足、なくなっちゃった」
「…ゴメン、咲羅」
謝罪なんて、必要なかった。謝られたところで、私の腕と足が戻ってくるわけでも、迅奈の腕と足が戻ってくるわけでもない。私と迅奈の間のアンバランスは、埋まらない。
「謝らないで」
「え…?」
「私、モデルになるのが夢だったの。だけどこの体じゃ、もうどうしようもない。だから、迅奈にも『どうしようもない』って思ってもらいたかっただけ」
「何でそんなこと…」
「私も迅奈も、同じ人間だから。平等にいこう」
「…分かった」
すると、迅奈は校舎に入って行った。そして数分後、戻って来た。その手には…。
「えっ…?」
迅奈の手には、チェーンソーがあった。裏山の木の伐採用に、倉庫に置いてあるやつだ。しかも、右と左に一本ずつ。
「何をするつもり…?」
「…最後に一つ教えとくわ。今回の件には…首謀者がいる。私達に、突き飛ばすように、そして死なせずに苦しませるように命令した首謀者がいる」
十五メートルほど離れた場所に来ると、そう言いながら迅奈は腕をクロスさせ、両方のチェーンソーを両方の肩に当てた。
「まさか…」
私は、迅奈がやろうとしていることに気づいてしまった。私はそれを止めるべく、全力で迅奈の方に走った。
だが…間に合わなかった。
迅奈は腕を少し上に上げると、電源を入れ、そのまま下に降ろして自分の腕を切断した。そしてその勢いで、足も根元から切り離してしまった。