コワレモノ―人類最後の革命―
「乙骨」さんからの投稿。

「コワレモノさん、夢壊しの依頼をさせて下さい。賀数才夏という生徒をご存知ですか? 彼女は学園が始まって以来の神童と言われていますが、裏ではサイバー犯罪に手を染めているという噂があります。IQは170以上らしく、それは親の育て方で決まるものだそうです。ということは、賀数才夏の知能はただ産まれ持ったもということになります。それなのに、その知能を使っているなんて不平等です。夢壊しをしていただけますでしょうか?」

どうやら、乙骨さんは私の考えをある程度理解しているらしい。私も、サイバー犯罪の噂こそ知らなかったが、テストでいい成績を取り、評価を高めているということに対しての不平等は感じていた。

才夏も、私の夢を壊したメンバーの一人だ。早いうちに夢壊しをしておこう。

「その依頼、お受けいたします」

翌日。

「次は技術だからなー。早めに教室を移動しておけよー」

教室を出ようとした先生が私達の方を振り向いて言う。次の授業は技術。しかも、パソコンを使うという授業だ。

園浦高校の技術の授業では、このように時々パソコンを使う授業がある。デジタル化していく社会にうんだらむんだら、と先生は言っているが、私達生徒にはそんなことは関係なかった。

「…さて、ネット見て、飽きたら寝るか」

このように、真面目に授業を受ける気は全くと言っていいほどない。パソコンが使えるので、思い思いにネットサーフィンをするのだ。

これは、今の私に、いや、私達三人にとってはまたとないチャンスだった。

「今回のターゲットって…賀数だったよな?」
「画面、盗み見しておかないと…」
「…それよりも、ちょっと話したいことがあるの」
< 38 / 120 >

この作品をシェア

pagetop