コワレモノ―人類最後の革命―
そうして全てのスレッドを見終わった頃には、もう「深夜」と呼ばれる時間帯に突入してからだった。スレッドの数も多いし、それに対するコメントも、登録している人も多い。

一つ驚いたことは…書き込みの中に、生徒の実名が出ていることだ。

本人は見ていないのだろうか? それとも、本人ではないふりをしているだけだろうか? 恐らく、後者だろう。それが、匿名サイトというものだ。

…私も、スレッドを立ててみよう。そう思ったが、どういう内容のスレッドを立てようか、悩んでしまう。

その時、学校で感じたあの感覚を思い出した。

希実は、私のことを分かってくれていない。そのいら立ちを、今思い出したのだった。

思えば、このサイトには、不満などを暴露するスレッドがない。立ててもいいだろう。

私は「コワレモノ」の名で、日ごろの不満や不服なことを吐露するスレッド「理不尽処理場」を作成した。

そして数分後このスレッドを覗いてみると、早くもコメントが来ていた。「希望者」さんからのコメントだった。

「コワレモノさん、はじめまして! 希望者って言います。よろしくお願いしますね。

…早速ですが一つ。今日、友人と話をしていたのですが、何かいけないことを言ってしまったのか怒られてしまいました。でも、『これを言えば怒る』なんていうことは誰にもわかりませんよね? 怒らせちゃった私も悪いかもしれませんけど、これはいかがなものかと思いました」

その後も、次々と私のスレッドを訪れる人が現れた。皆、私に集まってきてくれている。それが、嬉しかった。

そして…その中の一人、「乙骨」さんが、あるコメントをした。

「そういえば、尾所咲羅(オドコ・サクラ)って今日久々に学校に来てましたよね」
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