アロマティック
「あ、永遠くん。いまね、天音くんからマジックを……」
みのりの言葉が止まる。目の前で立ち止まる永遠の表情は硬く、そんな話しをする雰囲気ではなかったからだ。
「永遠、くん?」
「………」
永遠の後ろから入ってきた朝陽がドアを閉め、誰も入ってこないように、ドアに背をもたせかけた。
「なんでいわなかった?」
永遠の怒りを秘めた低い声。
「え……?」
突然向けられた怒りに、身に覚えのないみのりはうろたえる。
「永遠」
抑えが効かず感情むき出しのまま、みのりの前に立ちはだかる永遠に、ブレーキをかけるべく声をかける朝陽。しかし、全く聞く耳を持たない永遠は、上から威圧的にみのりを見下ろしている。
「自分で転んだんじゃないって、なんで最初からいわなかったって聞いてる」
永遠の言葉に、みのりの瞳が見開かれる。
「なんで、それ……」
「ごめん、俺が見てた」
唖然としたままみのりは、申し訳なさそうに睫毛を伏せる朝陽を、次いで怒り収まらないといった様子の永遠に視線を戻す。
納得するまでその怒りは収まりそうにない。
みのりは椅子から立ち上がって永遠と向き合った。
わたしは自分の意思で黙っていただけだ。
負けじと永遠を見上げ、真っ向から視線をぶつけた。
みのりの言葉が止まる。目の前で立ち止まる永遠の表情は硬く、そんな話しをする雰囲気ではなかったからだ。
「永遠、くん?」
「………」
永遠の後ろから入ってきた朝陽がドアを閉め、誰も入ってこないように、ドアに背をもたせかけた。
「なんでいわなかった?」
永遠の怒りを秘めた低い声。
「え……?」
突然向けられた怒りに、身に覚えのないみのりはうろたえる。
「永遠」
抑えが効かず感情むき出しのまま、みのりの前に立ちはだかる永遠に、ブレーキをかけるべく声をかける朝陽。しかし、全く聞く耳を持たない永遠は、上から威圧的にみのりを見下ろしている。
「自分で転んだんじゃないって、なんで最初からいわなかったって聞いてる」
永遠の言葉に、みのりの瞳が見開かれる。
「なんで、それ……」
「ごめん、俺が見てた」
唖然としたままみのりは、申し訳なさそうに睫毛を伏せる朝陽を、次いで怒り収まらないといった様子の永遠に視線を戻す。
納得するまでその怒りは収まりそうにない。
みのりは椅子から立ち上がって永遠と向き合った。
わたしは自分の意思で黙っていただけだ。
負けじと永遠を見上げ、真っ向から視線をぶつけた。