アロマティック
過去の記憶が甦る。
一途に、ただ、ひたすら一途に想って、砕け散った恋。
ふたりの関係を守りたくて壊したくなくて、身も心も犠牲にしたあの頃を――ー。
あのときの痛みに比べたら。
「平気なの。慣れてるから」
「慣れてるって、どういうことだよ!?」
「永遠くんには関係ない」
「関係なくなんかないだろ!」
「話したくない」
これ以上、過去の辛い記憶を思い出したくなかった。
これはわたしの過去であって、永遠には関係のないことなのだ。
みのりは心を閉ざした。
「俺は―――」
「永遠、やめよ。守りたい存在なら追い込んじゃだめでしょ」
天音が、永遠とみのりの間に割って入る。
「………」
まだなにか言いたそうな顔で、みのりを見つめる永遠。みのりは顔を背けたまま黙り込んでいる。並々ならぬ緊張感に、他のメンバーがそれぞれ顔を見合わせて頷き合った。
「も~永遠ちゃん、着替えてないじゃん! これからバチバチっとカッコいい写真撮るんだからお着替えしなきゃ」
「そんな気分じゃねぇ!」
「いいからいいから」
聖が、苛立ちを隠さず吠える永遠の背中を押して追いたてる。空と朝陽が時間稼ぎで先にスタジオに向かい、その場に残された天音がみのりに笑いかけてきた。
「ちょっと付き合わない?」
一途に、ただ、ひたすら一途に想って、砕け散った恋。
ふたりの関係を守りたくて壊したくなくて、身も心も犠牲にしたあの頃を――ー。
あのときの痛みに比べたら。
「平気なの。慣れてるから」
「慣れてるって、どういうことだよ!?」
「永遠くんには関係ない」
「関係なくなんかないだろ!」
「話したくない」
これ以上、過去の辛い記憶を思い出したくなかった。
これはわたしの過去であって、永遠には関係のないことなのだ。
みのりは心を閉ざした。
「俺は―――」
「永遠、やめよ。守りたい存在なら追い込んじゃだめでしょ」
天音が、永遠とみのりの間に割って入る。
「………」
まだなにか言いたそうな顔で、みのりを見つめる永遠。みのりは顔を背けたまま黙り込んでいる。並々ならぬ緊張感に、他のメンバーがそれぞれ顔を見合わせて頷き合った。
「も~永遠ちゃん、着替えてないじゃん! これからバチバチっとカッコいい写真撮るんだからお着替えしなきゃ」
「そんな気分じゃねぇ!」
「いいからいいから」
聖が、苛立ちを隠さず吠える永遠の背中を押して追いたてる。空と朝陽が時間稼ぎで先にスタジオに向かい、その場に残された天音がみのりに笑いかけてきた。
「ちょっと付き合わない?」