アロマティック
凌。
襲いかかる緊張から足元が急激に冷えていく。一瞬にしてみのりの心を不安が占めていった。
目が合うとそれが合図だったかのように、こちらへ向かって歩いてきた。
話したくない。
いつでも立ち上がれるように、座ったまま椅子を引いてテーブルとの間に逃げるスペースを作る。
その時。
近づいてくる凌から視線を遮るように、みのりの目の前に人が立ちはだかった。
「―――!?」
「よっ」
チェックのシャツにカラーパンツという服装で、指先まで綺麗に伸ばした手を上げて、短く挨拶。
「あ、あれっリーダー!?」
突然現れたリーダー、空。
こんなところに現れるなんて想像すらもしていなかった空の登場に、驚きつつ、いつもの条件反射でハイタッチ。空が自然な動きでみのりの向かい側の席に座り、凌の姿を遮断する。
「リーダー??? なんでここに?」
ここで仕事が? でも、ドラマにでるとも聞いてない。でるのかな? 全く予測していなかった人物の登場に、頭に浮かぶのは疑問ばかり。
「今日初日でしょ。頑張ってる永遠とみのりちゃんに差し入れ作ってきた」
「差し入れ?」
空がカバンから重箱のような和風の四角い箱を取り出し、テーブルの上に置く。中身はなんだろう? みのりの視線がその箱に注がれる。
「うん、開けてみて」
みのりのほうへ箱を滑らせ、ほんわりと笑う空に促されて箱を開ける。
「わーい……ん?」
襲いかかる緊張から足元が急激に冷えていく。一瞬にしてみのりの心を不安が占めていった。
目が合うとそれが合図だったかのように、こちらへ向かって歩いてきた。
話したくない。
いつでも立ち上がれるように、座ったまま椅子を引いてテーブルとの間に逃げるスペースを作る。
その時。
近づいてくる凌から視線を遮るように、みのりの目の前に人が立ちはだかった。
「―――!?」
「よっ」
チェックのシャツにカラーパンツという服装で、指先まで綺麗に伸ばした手を上げて、短く挨拶。
「あ、あれっリーダー!?」
突然現れたリーダー、空。
こんなところに現れるなんて想像すらもしていなかった空の登場に、驚きつつ、いつもの条件反射でハイタッチ。空が自然な動きでみのりの向かい側の席に座り、凌の姿を遮断する。
「リーダー??? なんでここに?」
ここで仕事が? でも、ドラマにでるとも聞いてない。でるのかな? 全く予測していなかった人物の登場に、頭に浮かぶのは疑問ばかり。
「今日初日でしょ。頑張ってる永遠とみのりちゃんに差し入れ作ってきた」
「差し入れ?」
空がカバンから重箱のような和風の四角い箱を取り出し、テーブルの上に置く。中身はなんだろう? みのりの視線がその箱に注がれる。
「うん、開けてみて」
みのりのほうへ箱を滑らせ、ほんわりと笑う空に促されて箱を開ける。
「わーい……ん?」