アロマティック
「……観覧車」
ひときわ存在感のある、大きな観覧車。
真ん中に大きな時計があって、観覧車全体を囲む色とりどりのLEDライトが、点滅したり順番に点灯していったり、まるである一定のリズムを取るように形を変えながら光っていた。
見ているだけでも楽しいのか、観覧車を見上げているみのりの口元には夢見るような笑みが浮かんでいる。
空と天音は顔を見合わせ、なにかを企んでいるような、にんまりとした笑みを浮かべて視線を交わす。
「あー観覧車! そっか、アレ、乗ったらきっと楽しいよね~」
「?」
急に、声高々にうそ臭いテンションの天音に、みのりは違和感を覚えた。
「でも、ああっ残念だなぁ! ぼくもリーダーも高所恐怖症なのよ。だから、永遠と乗ってね」
両手で頭を抱えた天音は、とても残念そうではあるけれど、どうも行動のひとつひとつが大袈裟だ。
なにか引っかかる。
「ふたりして高所恐怖症?」
「あ、うん」
そう答える空は、目を合わせないようにそっぽを向き、ゆるみそうな口元を引き締めているように唇が震えている。
なんか怪しい。
「高所恐怖症って観覧車もだめなの? すごくゆっくりだよ。上がっていくの」
ふたりの顔を順番にまじまじと見つめるみのりに、続いていた会話が止まり、ぎこちない間が開いた。
「あれ。先客か」
ひときわ存在感のある、大きな観覧車。
真ん中に大きな時計があって、観覧車全体を囲む色とりどりのLEDライトが、点滅したり順番に点灯していったり、まるである一定のリズムを取るように形を変えながら光っていた。
見ているだけでも楽しいのか、観覧車を見上げているみのりの口元には夢見るような笑みが浮かんでいる。
空と天音は顔を見合わせ、なにかを企んでいるような、にんまりとした笑みを浮かべて視線を交わす。
「あー観覧車! そっか、アレ、乗ったらきっと楽しいよね~」
「?」
急に、声高々にうそ臭いテンションの天音に、みのりは違和感を覚えた。
「でも、ああっ残念だなぁ! ぼくもリーダーも高所恐怖症なのよ。だから、永遠と乗ってね」
両手で頭を抱えた天音は、とても残念そうではあるけれど、どうも行動のひとつひとつが大袈裟だ。
なにか引っかかる。
「ふたりして高所恐怖症?」
「あ、うん」
そう答える空は、目を合わせないようにそっぽを向き、ゆるみそうな口元を引き締めているように唇が震えている。
なんか怪しい。
「高所恐怖症って観覧車もだめなの? すごくゆっくりだよ。上がっていくの」
ふたりの顔を順番にまじまじと見つめるみのりに、続いていた会話が止まり、ぎこちない間が開いた。
「あれ。先客か」