アロマティック
 永遠の仕事を見ているのは楽しいが、早く全てが終わり、一刻も早く凌から離れたいというのがみのりの本心だった。
 でも、アロマティックの撮影が終わってしまったら、永遠やEarthの皆とは……。



 
 一方、コンサートの準備で集まっていたEarthメンバーは、それぞれリラックスした様子でテーブルを囲んでいた。
 永遠が台本から顔をあげ、各々のやり方で寛ぐメンバーの様子をちらりと見る。

「俺さ」

 永遠の声に、4人は顔をあげないが、耳はかたむけている。

「微妙に避けられてる気がするんだけど」

 いいにくそうに、ぼそっと低く呟く。

「なにかしたんですか?」

 天音がスマホを弄りながら問いかける。

「なにかって……してないよ」

「なにその間。あやしい」

 開いた文庫本を片手に持って、読んでいる朝陽が怪しむ。

「なんにもないって」

「完全にみのりちゃんのすきを狙ってますよね。またやりたいっていうのが顔に出てる」

「おっ思ってねーよ」

 天音の言葉にドキリとした永遠は、息を飲みこむ。

「だいたいやりたいってなにをだよ」

「最近の永遠ちゃん、みのりちゃんを見る目つきがね」

「ね」

 聖の発言に、共感した空が頷く。

「……そんなにキスしたそうに見えるのか?」
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