アロマティック
「永遠と聖は、メンバーのなかでも身長が高いからモデルもやってるんですよ。特に永遠は一番身長も高く、スタイルもいい。なに着ても絵になるし、どんな表情もできる……素敵でしょう?」

「うーん」

「おい! もう少し聞いていて楽しい会話しろよ! 身内に誉められるのは嬉しいけど、チビ子も乗っかれよ」

 メイクが終わったらしい永遠が、えらいご立腹。
 わたしに男の価値を求められても困る。別に聞かせて楽しい話しをしていたわけでもないのだ。

「あー……眠い」

 ドアが開いて半分溶けたような顔の男が、フラリと入ってきた。

「リーダーおはよ」

「おはよう、空」

「お~……」

 またメンバー同士、すれ違い様にハイタッチをする面々。
 入り口の紙に永遠、天音と共に書いてあった名前が空だった。
 Earthのリーダー、空。

「誰だ?」

 半分眠っているような目をしていても、楽屋内に普段と違う雰囲気を感じたのか、みのりの存在に気づいた。
 薄暗い居酒屋では気づけなかった、少し明るめの髪は、寝癖でボサボサ。整った顔は他のふたりと違い、どこのパーツも柔らかく、穏やかな雰囲気を持っている。その目がいまにも閉じてしまいそうだ。まばたきをしたらそのまま眠ってしまうんじゃないだろうか?

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