アロマティック
「本を見つけたのは俺が先かもしんないのに」
不機嫌そうなその声は先ほどから賑やかな、みのりの背後のテーブルから聞こえてくる。
一度聞いたら忘れられない腹の立つこの声は。
みのりの脳裏に数時間前の出来事がリプレイされる
時間をさかのぼること、少し前___。
新書の匂いに囲まれて参考書や専門書の棚から棚へと、人のまばらな本屋の中を、みのりは移動していた。
えーと、アロマテラピー関係の本は……。
静かな本屋。歩く度に靴音が響く。
アロマテラピーやカラーセラピーの本が並ぶ棚を見つけ、足を止めた。数ある参考書にまじって並ぶ、実用書の背表紙に順々に目を通していく。
あった。
探している本のタイトルを見つけ、それに手を伸ばす。一冊の本を棚から引き抜いたとき、同時にとなりから見知らぬ手が伸びてきた。その手はあり得ないことに、みのりが棚から出したばかりの本を、ほぼ同時に掴んだ。
手の主を見上げると、身長の小さなみのりからしたら、巨人と呼べるくらい頭が高いところにある長身の人物だった。ダッフルコートにチェック柄のパンツ。服装からして男だろう。顔の半分を覆う、厚く巻いたマフラー。フレームの大きいサングラス。
……怪しい。
不機嫌そうなその声は先ほどから賑やかな、みのりの背後のテーブルから聞こえてくる。
一度聞いたら忘れられない腹の立つこの声は。
みのりの脳裏に数時間前の出来事がリプレイされる
時間をさかのぼること、少し前___。
新書の匂いに囲まれて参考書や専門書の棚から棚へと、人のまばらな本屋の中を、みのりは移動していた。
えーと、アロマテラピー関係の本は……。
静かな本屋。歩く度に靴音が響く。
アロマテラピーやカラーセラピーの本が並ぶ棚を見つけ、足を止めた。数ある参考書にまじって並ぶ、実用書の背表紙に順々に目を通していく。
あった。
探している本のタイトルを見つけ、それに手を伸ばす。一冊の本を棚から引き抜いたとき、同時にとなりから見知らぬ手が伸びてきた。その手はあり得ないことに、みのりが棚から出したばかりの本を、ほぼ同時に掴んだ。
手の主を見上げると、身長の小さなみのりからしたら、巨人と呼べるくらい頭が高いところにある長身の人物だった。ダッフルコートにチェック柄のパンツ。服装からして男だろう。顔の半分を覆う、厚く巻いたマフラー。フレームの大きいサングラス。
……怪しい。