アロマティック
永遠はリラックスしているのかもしれないが、みのりのほうは、そうでもなかった。
車内で膝枕をしているときは、必ず第三者のマネージャーがいた。けれど、今は。完全にふたりきりでこういう密着状態になるのは、トイレの個室の件を除けばはじめてのこと。
待って。
だからなんだっていうの? 気にする必要、ないよね?
第三者がいるかいないかの話しだもの。それに、いつも通りの膝枕で、特別なことはなにもない。相手だって変わってない。ただの(?)永遠なのだ。
自分の考えに納得したみのりは、永遠が戻ってくる前に読んでいた文庫本を手に取り、しおりを挟んだページを開いた。
「………」
腿に伝わってくる永遠のぬくもりが気になって、文章が頭に入ってこない。本に集中出来ず、同じ行を繰り返し読む始末。やがて、読むのを諦めたみのりは、白い天井を見上げ、小さく息をついた。
さっき。
永遠に手首を握られたとき、頭が真っ白になってなにも考えることができなかった。
自分から手を離すことだって、できたはずなのに……。
「そういえば。聖ちゃんが、ありがとうって」
「あっ、ええっ?」
てっきり眠っていると思われた永遠がいきなり話し出すので、永遠のことを考えていたみのりは慌てた。
車内で膝枕をしているときは、必ず第三者のマネージャーがいた。けれど、今は。完全にふたりきりでこういう密着状態になるのは、トイレの個室の件を除けばはじめてのこと。
待って。
だからなんだっていうの? 気にする必要、ないよね?
第三者がいるかいないかの話しだもの。それに、いつも通りの膝枕で、特別なことはなにもない。相手だって変わってない。ただの(?)永遠なのだ。
自分の考えに納得したみのりは、永遠が戻ってくる前に読んでいた文庫本を手に取り、しおりを挟んだページを開いた。
「………」
腿に伝わってくる永遠のぬくもりが気になって、文章が頭に入ってこない。本に集中出来ず、同じ行を繰り返し読む始末。やがて、読むのを諦めたみのりは、白い天井を見上げ、小さく息をついた。
さっき。
永遠に手首を握られたとき、頭が真っ白になってなにも考えることができなかった。
自分から手を離すことだって、できたはずなのに……。
「そういえば。聖ちゃんが、ありがとうって」
「あっ、ええっ?」
てっきり眠っていると思われた永遠がいきなり話し出すので、永遠のことを考えていたみのりは慌てた。