沖田総司と運命の駄犬



梓、どこに居るんだろう?




一緒に菓子を食べようと探したが居ない。




部屋に戻ってみるか・・・。




部屋に戻ると、梓が飛び出してきた。





梓「っ!あ・・・。」




何かそわそわしてる。



沖田「どうしたの?何か、動揺してない?」




ピクリと梓の肩が揺れる。





梓「いえ!何も!」





沖田「ふーん・・・。何か怪しいね・・・。」




僕がジッと見つめると、梓は、目を逸らす。





梓「では、私は、これで!」




何か、隠してる。




直感的にそう思った僕は、梓の首根っこを掴んだ。





パシッ。




梓「ウゲッ!」





蛙の潰れたような声を出す梓。





沖田「ちょっと来なよ!」





梓「あ!いや!私・・・。」





僕は部屋に梓を放り込んだ。




梓「キャッ。」




沖田「何したの?」




黒い笑みを浮かべて、刀を触りながら、梓に一歩一歩、近付く。




そう・・・。僕が、いつも、不審な男を捕縛するときと同じ手だ。





梓は、震えながら、一歩ずつ下がる。




僕は、ジリジリと間合いを詰める。




沖田「もう一度、聞くね?何したの?」




声は優しく。でも、笑わない。




梓「あ・・・あ・・・。」



あれ?




その時、何か、気持ち悪い事に気付いた。



“何か”が、変わってる・・・。
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