沖田総司と運命の駄犬



千駄ヶ谷の植木屋さんにまた、お世話になることになった。




お婆さんが、沖田先輩の世話をしてくれている。





沖田先輩は、たまに来る近藤さんからの手紙を嬉しそうに読んでいる。




そして、ある時、沖田先輩がおかしくなった。




刀を手に私を斬ろうと殺気を纏わせている。




梓「お、沖田先輩?」




しかし、沖田先輩は、バタンッと倒れてしまった。





沖田「あんな・・・っ。猫すら、斬れないなんて・・・っ。斬れないなんて・・・っ。」




そう言うと、沖田先輩は、気を失った。




梓「グハッ。」





沖田先輩が、倒れた瞬間、私は、血を吐いた。




なんで?




それは、沖田先輩の苦しみが、まるで、私にも伝わってきているようで・・・。




苦しい・・・。




背中も胸も痛くて、浅くしか息が出来ない。





こんなに苦しい思いをしながら、沖田先輩は、笑っていたの?




私は、沖田先輩の隣で眠った。




私は、血を吐きに外に出た。




頭が、ボーッとする。





私は、フラフラになりながら、部屋に行くと、沖田先輩が、私を探していた。





沖田「ねぇ。婆さん・・・。猫・・・来てるかな?」




お婆さん「今、ここに・・・。」






沖田先輩が私を呼んでる・・・。







私は、沖田先輩のいる所まで歩くと、沖田先輩の胸に倒れ込んで、意識を失った。
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