沖田総司と運命の駄犬




僕は、お美代ちゃんとまた、あの空き家に逢瀬をしに来た。




お美代「総司はん。なんか、上の空ですなぁ。」



沖田「そんなこと無いよ?」



お美代「うちのことだけ考えて?」



沖田「いつも、お美代ちゃんの事しか、考えてないよ?」



お美代「嬉しい!」



ギュッと、抱きつかれて、抱きしめ返す。




幸せ・・・。



でも、いきなり、梓の昨日の寂しそうにしていた梓の顔が、頭に浮かぶ。





沖田「ごめん・・・。お美代ちゃん、僕、用を思い出して、帰る。」




お美代「はい・・・。ねぇ、総司はん?」




沖田「ん?」



振り向くと・・・。




チュッ。



沖田「え?」




お美代「うち・・・。総司はんと、もっと・・・。」




そっか。僕は、これで、満足してたけど、お美代ちゃんは、違ったんだ。




沖田「ごめん・・・。今まで、気付かなくて・・・。次、会ったら・・・。」




お美代「はい・・・。」




僕は、もう一度、お美代ちゃんを抱きしめた。





僕は、お美代ちゃんに口付けをして、屯所に帰った。
< 35 / 222 >

この作品をシェア

pagetop