素顔のキスは残業後に【番外編】第2話完結
「溺愛されてるって自覚あり、か」
「えっ!? あっ、いえ。そんなことっ、ないです!!」
うわっ、なんか、すごい自惚れてるみたいだった!?
(そうだったの!? どうだったの、私――!?)
開いている左手を顔の前で激しく振りながら、「とんでもないですっ」と力強く付け加える。すると熱くなった頭をポンッと軽く叩かれた。
「落ち着け。そして、座れ」
ご主人に言われるまま腰を下ろしたベンチは、柏原さんの想いを初めて聞くことができたあの場所だった(やっぱり飼い猫のようだよ、私)。
ベンチとブランコしかない小さな公園は街を見渡す高台にある。
今日は大晦日で夜更かしをしている人が多いせいか、あの日よりも煌びやかな光を放つ眼下の景色に目が奪われた。