恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
真琴の方も、いつもなら柔らかい笑顔を見せてくれるのに、古庄の顔をジッと見つめて、安心したように瞳を少し潤ませた。
そんな真琴の表情を読んで、古庄は、真琴が何か勘付いているのではないかと、不安になる。
いっそのこと、佳音のことを思慮深い真琴に相談してみようかと思ったが、ファミレスの一件のことを思い出して、思い止まった。
つわりの辛さに耐えながら、通常通りの仕事もこなしてきた真琴に、これ以上心理的な負担をかけたくない。
たとえ相手が生徒でも、夫が他の女性から告白されたなんて、妻からすれば快くないことだ。
今日は真琴を幸せの真綿でくるむと、かねてより決めてある…。
古庄は気を取り直して、努めて明るい笑顔で真琴に向き直った。
「本当なら、二人でレストランへでも行きたいところだけど…。今の君はどんな高級料理も美味しくないだろうし、…いつもの惣菜屋で弁当でも買って来るかい?…クリスマスって雰囲気は出ないけど」
「いつもの」というのは、古庄が真琴に食べさせる弁当を買うために、行きつけている自然食の惣菜屋だ。
肩をすくめながら、おどけるように言う古庄に、真琴もニッコリと笑いかけた。