恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



覚悟を決めたように唇を引き結ぶと、真琴の額に自分のそれをコツンと合わせる。



「……たとえお腹の子がいなくても、君のことは俺が守るよ。何があっても…どんな時でも…」



古庄の言葉が真琴の心から体中に沁みわたって、それだけで真琴は見えないバリアで護られているような気がした。


真琴が花のように微笑み、可憐な笑顔を見せる。
久しぶりに見る真琴の笑顔に、心配しすぎて荒れていた古庄の心がじんわりと癒されていく。


しかし、真琴の笑顔は本当に儚げで、ややもすると古庄自身の手で壊してしまいそうだ。

切ない想いは胸を突き上げていたが、古庄はキスをすることもできず、ただ自分を見上げる真琴の静かな笑顔を見つめ続けた。








< 151 / 343 >

この作品をシェア

pagetop