恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
旅程は1日かけて電車や新幹線・バスを乗り継ぎスキー場へと向かうと、丸3日間はそこでスキー三昧ということになる。
スキーは現地のインストラクターが指導してくれるので、真琴はその間ホテルでゆっくりできるというわけだ。
「先生、荷物は俺が…」
電車に乗り込むと、大柄な男子生徒が真琴のキャリーケースを、ひょいと網棚の上に持ち上げてくれる。
真琴のお腹はまだほとんど目立たないが、妊娠していることは生徒達にも周知のこととなり、古庄が真琴に気をかけるまでもなく、優しい生徒たちが甲斐甲斐しく真琴の世話を焼いてくれた。
集団生活に馴染まない佳音は、修学旅行で集団と一緒になって行動するのは苦痛なのかもしれないが、古庄の方は、この移動中だけは佳音と二人きりにならずに済み、ホッと息を抜く。
すると、頭の中を占拠してくるのは必然的に真琴のこと。
古庄は時折、列車内で生徒たちが羽目を外さないか監督するふりをして、隣のクラスにまで足を延ばした。
真琴の顔色や様子を一目見て、変わりがないことを確認すると、その度に胸をなで下ろして自分の席へと戻った。
ホテルに到着したのは夕方で、生徒たちは割り振られた部屋に入り、荷物の整理などをしてその日の旅程は終わる。