恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
その場にいた教員たちそれぞれ、周りと確認し合ってはいないが、自分の中に一つの事実を導き出していた。
その事実が正しかったことを、校長の言葉を聞いて確信する。
「…ということは、賀川先生のお腹の子の父親は、古庄先生なんですね」
「どうりで…。そう言うことか…」
同じ担任団は、引っかかっていたものが腑に落ちたように、ホッとしたような表情を見せる。
「…前から、古庄くんは賀川先生に気があるな…とは思っていたんだけど、賀川先生が結婚したって聞いて、てっきり古庄くんは失恋したのかと…。でも、そうじゃなくて、古庄くんが相手だったのかぁ…」
戸部はふくよかな頬を紅潮させて、少し興奮気味にそう言った。
いつも助け合いながら真摯に仕事に臨む二人に、同僚たちは好意を持ち、その二人の結婚を心から祝福する雰囲気が辺りに満ちた。
しかし、その事実をどうしても受け入れたくなかったのは、平沢だった。
「それじゃあ…、賀川先生は、ずっと私たちに嘘を吐いていたってことですか?」
嘘を吐いていたのは古庄も共犯なのに、真琴の名前だけ上げたのは、平沢の中に古庄を恋い慕う心があったからだ。
それに対して、校長が渋い顔をして答える。