恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



この数時間、自分を苛んでいた激しい緊張から解放されて、真琴は力が抜けるように座り込んだ。


「賀川さん、もう部屋に戻って休んだ方がいいと思うわ」


石井が心配して声をかける。

しかし、誰よりも心配そうな表情をしていたのは古庄で、石井に同意するように、真琴へ視線を投げかけた。


校長もそれを聞いて、


「そうだな。そうした方がいい。…それに古庄くんも、少し落ち着いたようだから、もう大丈夫だろう。風呂にでも入って、温まりなさい。あとの者は、ここに残って」


と指示する。


校長からも、そう言ってもらえたので、真琴はうなずいてその場を後にした。
古庄もゆっくりと立ち上がって、真琴の後に続く。



前後して部屋に戻る二人の背中を見送り、見えなくなると、校長は残された教員たちの方へ向き直り、もっと近くに寄るように手招きした。


衝撃的な秘密を感じ取ってしまった皆の顔は、驚きと神妙さが入り混じっている。

その顔を見て、もう真実を隠しておけず、憶測で下手な噂がたってもいけないと思った校長は、思い切ってそれを告げる決断をした。



「さっきの二人を見て、皆も勘付いてしまったと思うが…、あの二人は結婚している……」




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