恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜



その時、授業が始まる予鈴が鳴り響く。
佳音を取り巻く女の子たちも、顔を見合わせ、我に返るようにそれぞれに涙を拭った。


「…さあ、佳音ちゃん。1時間目の『地理』が始まっちゃう…」


まだ肌寒い非常階段から、重いドアを開け校舎へと入る。そして、佳音の背中を押しながら、誰もが黙ったまま教室へと戻った。








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