恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜
真琴が頷くと、古庄も心配を残した眼差しで微笑んだ。
それから、古庄はカーテンの向こうに消え、保健室を出て行くドアの音が聞こえると、真琴は安堵と共に目を閉じた。
気が利いていたのは、真琴のクラスの加藤有紀と古庄のクラスの溝口だ。
この気立てのいい者同士のカップルは、誰に言われるでもなく、床に散らばっていた真琴の授業道具と、教卓に置かれたままになっていた古庄の授業道具を、職員室まで届けてくれていた。
「ああ!ありがとう。助かったよ」
一足遅れて職員室に戻ってきた古庄が、そう言葉をかけると、二人は同じようにはにかんで会釈をした。
急いで教室に戻る道すがら、溝口が口を開く。
「古庄先生と賀川先生って、何かあるのかな?」
「何かあるって?」
肩を並べて小走りしながら、有紀は首をかしげる。
「いや…、賀川先生を抱き上げた時の古庄先生の動作が、やたらと自然だったから…。それに、体育大会のリレーの時だって、古庄先生は賀川先生を助けに戻っただろ?」
「うん、そうだったね」