恋はしょうがない。〜職員室の新婚生活〜




「だから、…付き合ったりしてるのかな…って」


「え…っ!?でも、賀川先生、婚約してるんだよ?指輪してるし…」


「…………」


「……!!?」



二人の頭にはある可能性が過って、立ち止まって顔を見合わせた。



その時、7時間目が始まるチャイムが鳴り響く。


「いや、待て。事実かどうか判らないうちに、滅多なことは言わない方がいい」


目を白黒させながら、溝口がつぶやいて、もたげてきた可能性を呑み込んだ。


「うん…。何たって古庄先生のことだから、みんなに知られたら大変なことになるよね」


有紀も神妙な顔で頷く。

すると、7時間目の授業をする教師の姿が見えたので、二人は急いでそれぞれの教室へと入った。





大事を取って、真琴が早めの帰宅をした後、古庄は心配のあまり真琴のアパートへとやってきた。
自然食のお惣菜屋さんのヘルシーなお弁当と、鉄分のサプリメントを携えて。


「…今日は、金曜日じゃありませんけど?」


イレギュラーの古庄の訪問に、真琴が眉根を寄せた。


「分かってるけど、君のことが心配で…。でも、…迷惑だったら、俺のアパートへ帰るよ」


そう言う古庄の寂しそうな目を見て、真琴は胸がキュッと苦しくなる。





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